微妙

ときむすび (ファミ通文庫)

ときむすび (ファミ通文庫)

ときむすび/築地俊彦(ファミ通文庫)
[評価:B+]
まぶらほ」(未読)の作者さんですか。
前半は幼なじみやその姉、昔の幼なじみが転校してきたり、
友人達との交流をまったりと描いていて
まぁ、可もなく不可もなくという感じで、少々だるくて読むのが辛かったです。
あえていえば主人公のタクトがもうちょっと真衣亜にやさしくしてやればいいのに、と
思う程度でした。
一転後半は真衣亜の姉、果璃絵の不可解な行動から彼らの周囲が不穏な雰囲気に
包まれていきます。ミステリータッチというか伝奇物というか
まぁ、そういう結末に至るのですが、読後感がすこぶる悪いです。
無理やりハッピーエンドにしろとはさすがにいいませんが、もうちょっとやりようがあったのでは?
いきなりあのエピローグに繋ぐのは、ちょっと読み手の想像力に頼りすぎている
と感じました。転校してきた幼なじみの娘(美鶴)も話を進める道具程度の扱いで、
わざわざ登場人物を途中で増やさなくても・・・・という感じがしました。


エピローグで、真衣亜が最後にタクトが残したセリフを姉に言ったということは
彼女は「あの」シーンの記憶を持ち続けているのでしょうか?
それはかなり切ないですね・・・・。


加茂氏の絵に惹かれて購入したのですが、個人的には期待通りの満足度は
得られませんでした。